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漲水ぬクイチャー |
漲水ぬクイチャーは、雨乞(あまごい)のための歌でした。 川の無い宮古島では、農作物が無事に育つためには雨だけが頼りでした。
雨が降らなければ生活が豊になれないので、一生懸命雨が降りますようにと祈り続けたのが宮古島の歴史です。
宮古島では地区ごとに雨乞いの歌があったといわれていますが、漲水ぬクイチャーはその代表で、船着場に運び込まれる砂や大神島に寄せるさざ波のように、めぐみの雨に満たされて収穫(しゅうかく)や機織(はたおり)用の糸が途切(とぎ)れることなく手に入ることを願った歌です。 |
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歌詞 |
歌の内容 |
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1. |
漲水ぬ舟着ぬ砂んなぐぬよ
ヤイヤヌ
ヨーイマーヌーユ砂んなぐぬよ
ヒノヨイサッサイ |
漲水港(はりみずこう)の船着き場に砂がたくさん運ばれてきたよ |
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2. |
粟んななり米んななり上りくばよ
ヤイヤヌ
ヨーイマーヌーユ上がりくばよ
ヒノヨイサッサイ |
船着き場の砂が全部粟(あわ)や米だったら、どんなにいいだろう |
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3. |
島皆ぬ三十原ぬ兄小たやよ
ヤイヤヌ
ヨーイマーヌーユー 兄小たやよ
ヒノヨイサッサイ |
そうしたら、島に30くらいある村の若ものたちも |
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4. |
ピラとぅらだカニや押さだゆからでぃだらよ
ヤイヤヌ
ヨーイマーヌーユー ゆからでぃだらよ
ヒノヨイサッサイ |
厳(きび)しい税金(ぜいきん)を払うために働くことなく、楽になれるのに |
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5. |
大神グスフヂ並び折波小がまぬよ
ヤイヤヌ
ヨーイマーヌーユー 折波小ぬよ
ヒノヨイサッサイ |
大神島(おおがみじま)の海岸(かいがん)にうちよせるさざ波が |
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6. |
糸んちゅなりかしんななり上がりくばよ
ヤイヤヌ
ヨーイマーヌーユー 上がりくばよ
ヒノヨイサッサイ |
機織(はたおり)の糸に変わってくれたら |
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7. |
島皆ぬ三十原ぬ姉小たやよ
ヤイヤヌ
ヨーイマーヌーユー 姉小たやよ
ヒノヨイサッサイ |
そうしたら、島に30くらいある村のお姉さんたちも |
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8. |
ぶやんうまだかしやかきだゆからでぃだらよ。
ヤイヤヌ
ヨーイマーヌーユー ゆからでぃだらよ
ヒノヨイサッサイ
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厳しい税金を払うために麻(あさ)を紡(つむ)がないで、幸せになるのに |