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各検索サイトを見ると、石垣島の石西礁湖(せきせいしょうこ)サンゴ礁が日本一のサンゴ礁群として紹介されている場合も多くありますが、同時に宮古島の八重干瀬(やびじ)サンゴ礁を日本一のサンゴ礁群として紹介しているケースもあります。
石西礁湖サンゴ礁が日本最大のサンゴ礁群としてしている根拠は、石垣島と西表島の間に位置するサンゴ礁で囲まれている竹富島、小浜島、黒島、新城・下地島の5つの島々を合わせる東西約20q、南北約15q の300平方キロメートルの海域すべてを石西礁湖サンゴ礁の規模としていることによります。
これと同じ計測法を使うと、八重干瀬サンゴ礁群は東西約6.5q、南北約17qの約110平方キロメートルとなり、石西礁湖サンゴ礁の3分の1程度の規模となります。
ところで、宮古島キッズネットが今も八重干瀬サンゴ礁群を日本一のサンゴ礁群として掲載を続けている根拠はサンゴ礁の群体の広がり、つまり分布面積の合計を比較した結果によるものです。
この計測は、USGA(アメリカ合衆国地質調査研究所)によるLandsat 7(ランドサット7号)の地表観測衛星画像データを基に行いました。
ランドサットの画像をベースに、石西礁湖サンゴ礁群と言われている5つの島を囲むサンゴ礁の分布面積を個々に計測し、その後島の面積を削除することで各島を取り囲んでいるサンゴ礁群の実際面積が分かります。
その結果、石西礁湖サンゴ礁群の中で最も規模の大きいものは小浜島周辺のサンゴ礁群で約45平方キロメートルあり、石西礁湖サンゴ礁群全体の分布面積の合計は約73.5平方キロメートルとなっています。
一方、ランドサットの画像で確認できる宮古島の八重干瀬サンゴ礁群全体の分布面積の合計は76.5平方キロメートルとなり、わずかに石西礁湖サンゴ礁群を上回っています。
いずれにしても、年々著しく減少・消滅しているサンゴ礁の実態を考えると、どちらが大きいかの比較をすることより、死滅を防ぐために、私たちには何が出来るかの検討や、再生対策について共に考え実行していくことが大切です。 |