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嵐のあとの海岸には、海にあったゴミがたくさん打ち寄せられました。 |
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アジア各国のペットボトル |
いったい何種類のゴミがあるんだろう? |
北太平洋の国々から海に流れ出したゴミが、太平洋を漂流(ひょうりゅう)してハワイの北東部に集まって、巨大なゴミのかたまり 「東太平洋ゴミパッチ」 になりました。 また、西の方に集まったゴミのかたまりは「西太平洋ゴミパッチ」と呼ばれています。
「東太平洋ゴミパッチ」の大きさは、テキサス州(アメリカ)の2倍のサイズと言われています。
テキサス州はアメリカではアラスカの次に大きな州で、約70万平方キロメートルあり、日本の約1.8倍です。
そのテキサス州2個分は、日本を3.6個集めたのと同じ広さになります。
人間が道路や川などになにげなく捨てた生活ゴミや不法投棄されたゴミが海に流れ、黒潮の流れに乗って集まり、大きなゴミの塊になりました。 ゴミは80%がプラスチックです。
プラスチックはどんなに小さく分解されても、海の浮遊物(ふゆうぶつ)としてそのまま海面や海面近くの海中に残ります。
また世界中の多くの海岸にも、近くを流れる海流に運ばれてたくさんのゴミが流れ着いています。 そしてそのゴミが、海の生物の環境(生態系)に大きな悪影響を与えています。
鳥や魚など、海や海岸のそばで暮らす生き物が、小さいゴミをえさと間違えて食べ死んでいます。
このゴミ問題を解決せず放置すれば、さらに多くの生物が犠牲になります。 海のゴミで汚染された魚や生き物を食べれば、私たちの健康にも影響してきます。
2005年から 2010年にかけての5年間だけで、それまでの2倍の勢いで海の漂流(ひょうりゅう)ゴミが増えたそうです。
みんなで知恵を出し合って協力し、このゴミ問題を解決していきましょう。
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この図は、宮古島や沖縄の所にテキサス州の大きさを重ねたものです。 東太平洋ゴミパッチが、この2倍もあると言われているので、どんなにすごい量のゴミが集まっているのかがわかります。 |
1. |
海洋ゴミは、海流に流されて広い地域をたえまなく動いています。 そのため、ゴミのある場所を探すのにすごく時間がかかり、ゴミを回収するのにたくさんの費用がかかります。 |
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2. |
海をキレイにするためには"海洋ゴミを拾えばいいじゃない"と思うかもしれませんが、そんなに簡単ではありません。 なぜなら海洋ゴミの中には、プランクトンやクラゲ、魚やサンゴの卵など生き物がたくさん住んでいて、ゴミをすくう時にそれらの生き物も一緒に取ってしまうからです。 もしゴミを全部取ったら、エコシステムと呼ばれる海の生物の生態系(せいたいけい)に大きな影響を与えてしまいます。 |
海の生物や人間の生活に悪影響を与える、海洋ゴミを増やさないようにしなければいけません。
そのために私たちができることは、ゴミが海に流れていかないようにすることです。 一人ひとりが、海洋ゴミの問題と真剣(しんけん)に取り組んで、自分たちにできる事は何かを考えていきましょう。 |
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上の3枚の写真は、アメリカ西海岸で採取された電球の中で育っていたプランクトンです。 海の生物は、このように海洋ゴミも自分たちの繁殖場や生活、住まいとして活用しています。 |
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Photo Curtesy: JAMSTEC (Japan Agency For Marine-Earth Science and Technology) |
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日本の海洋研究開発機構の有人潜水調査船 “しんかい 6500” によって撮影されたプラスチック ゴミの写真。ここは、小笠原諸島とミッドウエイを結んだ線の中心点に近い、深さ5845mの海底です。 こんなに深い海の底でもプラスチックのバックが発見されるのが驚きです。 |
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海洋ゴミって何? |
人々が海から遠く離れた道路や川などに捨てたゴミが、雨に流されたり風に吹かれたり下水を通ったりして海に流れ出したゴミを、海洋ゴミと言います。海洋ゴミの多くは、海から数百キロも離れた内陸部の都市で捨てられたものなのです。
海洋ゴミの原因は、その他にもたくさんあります。ビーチでピクニックをした時や釣りをした時に出たゴミのポイ捨てや、漁師さんたちが漁に使った網やロープをそのまま海に放置した物、また家庭や工場から出たゴミを直接海に捨てたものも、海洋ゴミになります。
こうして、毎年世界各地から海に流れ出した海洋ゴミが、すごい勢いで増えています。
海に流れ出したゴミは、近くを流れる海流に乗って海を漂いながら、遠く離れた地域や外国の海岸に流れ着きます。また、ゴミの一部は大きなかたまりとなり、海を漂います。それらの海洋ゴミは、海や海岸に生息する多くの生物や環境に悪い影響を与えています。 |
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大切な海の生き物の命と、大切な環境を守るためにできること |
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参考資料:
私たちは、この危険な海岸漂着物であるプラスチックなどのゴミがまた海に戻ることの無いように、できるだけ多くの漂着ゴミを集めるプロジェクトを進めています。
また、宮古島キッズネットがまとめた、海洋ゴミの調査研究のための専用ページ 海岸漂着物モニタリング調査マニュアル がありますので、家族の皆さんといっしょに見てください。 |
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下の写真を見ることで、なぜ私たちが海岸清掃を急いでしなければいけないかがわかります。
世界中で、たくさんの生き物が人間の出すゴミの被害を受けています。
私たちが使っているプラスチック製品や、釣りや漁業の道具がこんなに多くの生き物を苦しめていることを、お友達にも教えてあげて下さいね。 |
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Photo Courtesy of NOAA これらの写真の著作権はNOAA (アメリカ海洋大気庁) にあります。 |
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私たちにできること! |
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1. ゴミはきちんとゴミ箱に入れる。 ポイすては、ぜったいにしない! |
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2. 生活の中でゴミをへらす工夫をする。 |
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3. 海岸清掃の活動に参加する。 |
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人間が道路や川などになにげなく捨てたり、不法投棄 (ふほうとうき) した生活ゴミが海に流れ、黒潮の流れに乗って集まり、太平洋ゴミパッチと呼ばれる大きなゴミの塊(かたまり)になりました。
(太平洋ゴミパッチ
は、「海岸清掃の広場」 でくわしく説明しています。)
漂流ゴミは、80%がプラスチックです。 プラスチックはどんなに小さく分解されても、海の浮遊物(ふゆうぶつ)としてそのまま海面や海面近くの海中に残ります。
また世界中の多くの海岸にも、近くを流れる海流に運ばれて、たくさんのゴミが流れ着いています。そしてそのゴミが、海の生物の環境(生態系)に大きな悪影響を与えています。
鳥や魚など海や海岸のそばでくらす生き物が、小さいゴミをえさと間違えて食べ死んでいます。 |
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海に流れ出したゴミが、分解するまでにかかる時間! |
プラスチックをはじめ家庭から出るゴミが海に流れ出すと、分解するまでに驚くほど長い時間がかかります。 私たちの海と海の生物を守るために、ゴミを海に流さないようにしましょう。 |
ペーパータオル |
2-4週間 |
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レジ袋 |
1-20年 |
新聞 |
6週間 |
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発泡スチロールのカップ |
50年 |
リンゴの芯(しん) |
2ヶ月 |
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鉛(なまり)缶 |
50年 |
厚紙の箱(ダンボール箱) |
2ヶ月 |
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発泡スチロールの浮き |
50年 |
綿ロープ |
1-5ヶ月 |
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アルミニウム缶 |
200年 |
綿手袋 |
1-5ヶ月 |
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プラスチック缶ホルダー |
400年 |
牛乳の箱 |
3ヶ月 |
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ペットボトル |
450年 |
分解可能な植物原料の缶ホルダー |
6ヶ月 |
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かみオムツ |
450年 |
ベニヤ板 |
1-3年 |
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釣り糸 |
600年 |
ウール製の靴下 |
1-5年 |
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ガラス瓶(ビン) |
不明 |
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この資料は、NOAA(ノア)とSea Grant(シーグラント)の調査によるものです。 |
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私たちが、宮古島で出口調査を行う理由 |
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ここから先は、ご家族のみなさんや子どもの指導にあたる方々のための、子どもへの解説資料としてお使いください。 |
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「なぜ宮古島や沖縄各地に漂着ゴミが多いのか?」 の疑問に答えるシュミレーションモデル:
下の画像は、NOAAの海洋潮流データベースにもとづいたシュミレーション システムを使い、宮古島キッズネットが独自に作成した、台湾北東部近海の漂流ゴミが4年後にどこまで移動するかの漂流コース計測の一部です。
コースと移動距離はその年の黒潮のコース変動値や季節によっても異なりますが、この画像は宮古島を含む沖縄列島にもっとも大きく影響するコースの典型でもある、11月中旬に台湾東北部沖を通過した後の漂流ゴミの軌道です。 |
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Simulation System: Courtisy of NOAA |
また、下のシュミレーション・モデルは、NASA の Scientific Visualization Studioが2005年 6月より、2007年 12月までの期間の世界の潮流を記録し、視覚化、映像化したものの一部です。 全期間の潮流動向を20分程の動画にまとめた中から、黒潮と台湾暖流が合流した後、沖縄諸島で時計回りの周回が始まる典型的なコースを取り始めた瞬間をスチール画像として抽出したものです。 |
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Photo courtesy: NASA Scientific Visualization Studio - Perpetual Ocean |
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上下ふたつのシュミレーションから解かることは、台湾暖流(TWC) や黒潮に乗って北上した漂流ゴミは、太平洋に抜けた後そのまま黒潮の潮流に乗って北上するのではなく、一部は沖縄列島を複数回にわたり周回した後再び黒潮に乗って北上し、ハワイ諸島、アメリカ大陸西海岸へと向います。
宮古島北東部の海岸に海洋ゴミが多く漂着するのは、奄美大島北部で黒潮と合流する台湾暖流による合流モーメントが作用していることがひとつの要因と考えられます
それにより、沖縄諸島を右回りに周回する回転運動が始まります。またこのモデルにも現れているように、周回が沖縄本島と宮古島の間で始まり、先嶋諸島だけの周回コースもよく発生することから、今後も多くのシュミレーションと宮古島での漂着物の分析を続けることで、より精度の高い漂流コースの季節別モデルを算出できると考えています。 |
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これらのシュミレーション画像は、教育現場での資料として自由にご利用いただけますが、他のウエブサイトへの転載や、コンテンツの転用は出来ません。 |
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