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起源 |
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ヤギは人間が飼(か)いはじめた最初の動物の一つで、8000年~10000年前から飼育(しいく)されていたといわれています。
ヤギは牛科の動物です。 ビゾー(bezoar)といわれる、野生ヤギの子孫(しそん)だそうです。
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ヤギの種類 |
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ヤギの種類は210種類以上で、世界中に約8億6000万頭のヤギがいます。
世界にいるヤギの大部分は、中東(ちゅうとう)とアジアに生息(せいそく)しています。
(資料: 国際連合食料農業機関 2008)
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食事の習性 |
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ヤギは牛とおなじ反芻(はんすう)動物で、4つの胃を持っています。 食べたものを一度口の中に戻(もど)して、かみ直しをします。
野生のヤギは、雑草(ざっそう)や木の芽(め)や葉っぱをはじめ、トゲのある植物や樹の皮など何でも食べます。
体の代謝(たいしゃ)が遅(おそ)いので、水も少しあれば生きていけます。 水は、1週間位飲まなくても大丈夫です。 |
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ヤギの歯 |
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ヤギの上あごの前歯にあたる部分には、歯がありません。
上あごの歯茎(はぐき)が硬(かた)くなった部分と下の歯を使って、草などをかみ切ります。 口の奥には、上下に24本の歯があります。
子ヤギは、下アゴの前のほうに8つの小さなとがった歯があり、人間の子どものように乳歯(にゅうし)が取れると、永久歯(えいきゅうし)が生えます。
ヤギの年齢(ねんれい)は、歯を見ると分かるそうです。
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ヤギの目 |
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ヤギの瞳(ひとみ)は他の動物の丸い瞳と違って、長方形をしています。
ヤギは視野(しや)が320~360度あるといわれ(人間の視野は160度~210度)、動かなくても周りにある殆(ほとん)どの物が見えます。 (たこの目も長方形)
ヤギは夜の視力(しりょく)能力が高く、夜でも行動します。
ヤギの目の色はたくさんありますが、黄色や茶色が一般的な色です。 |
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体格 |
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メスヤギの体重は、種類により 10kgから100gkです。 オスヤギの体重は 12kg から 120kg くらいになります。 オスヤギはメスヤギに比べ、体が大きく、毛深いのが特徴(とくちょう)です。
オスヤギにはヒゲがあり、年をとるごとに長くなっていきます。
メスヤギにもヒゲがのびます。 |
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色 |
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ヤギの体の色は種類によって、クリーム色と白色と黒色と茶色があります。
ちがう種類のヤギを掛(か)け合わせることで、多くの色の組み合わせがうまれます。 子どものヤギは、両親の色の特徴(とくちょう)を受け継(つ)ぎます。
ちがう種類の掛け合わせで生まれたヤギは、英語でブラッシュゴートと呼ばれています。 |
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健康 |
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ヤギの健康状態は、住んでいる環境(かんきょう)や遺伝子(いでんし)、また栄養状態で分かれます。
ヤギの病気の中には、人や他の動物に移(うつ)る病気もあります。 ヤギに突然死(とつぜんし)を起こす2つの病気は、コクシジウム症(しょう)と肺炎(はいえん)です。
また、生産者が一番気をつかうのが、虫と寄生虫(きせいちゅう)です。
寄生虫と虫におそわれた後、治療(ちりょう)をせずにいると、体力が落ちて死んでしまう場合もあります。 今では、ヤギを治療する薬を開発するために、多くの研究がなされています。 |
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運動能力 |
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ヤギは、登(のぼ)ったり、走ったり、フェンスの下をくぐったりすることができます。
また、ヤギの種類によっては、150cm以上の高さを飛ぶこともできます。
ほとんどのヤギは 、木の枝や潅木(かんぼく)を食べるために、後足で立つことができます。 |
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寿命 |
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ヤギの寿命(じゅみょう)は平均 12年くらいですが、22~25年生きたヤギも確認(かくにん)されています。 |
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特徴 |
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1. |
とても社交的(しゃこうてき) |
2. |
元気がよく 敏(びん)しょう(身のこなしが軽い) |
3. |
好奇心が旺盛(おうせい) |
4. |
自立心(じりつしん)が強い |
5. |
他の動物に比べて病気や寄生虫にも強い |
6. |
ヤギは頭が良く、農場の門の掛(か)け金(がね)の開け方を学ぶことができます。 |
7. |
ちがう種類のヤギの中にいると、同じ種類のヤギどうしで集まるのを好みます。 |
8. |
何年も離(はな)れていた母ヤギと再会(さいかい)した場合、子ヤギは母ヤギをすぐに見つけ、側(そば)に行くそうです。 |
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ヤギからできる製品 ・特徴 |
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1. |
ヤギからできる主な製品:
ミルク、チーズ、肉、モヘア、カシミア |
2. |
ヤギのミルクからできる製品:
チーズ、バター、アイスクリーム、ヨーグルト、キャンディ、せっけん、その他のボディケア商品。 |
3. |
ヤギのミルクは、人の母乳にとても近いといわれています。 |
4. |
ヤギのミルクに含(ふく)まれる脂肪(しぼう)とたんぱく質は、牛のミルクに比べて消化(しょうか)しやすいそうです。 研究によると、牛乳アレルギーのある人でもヤギのミルクを飲むことができます。 |
5. |
ヤギ肉は、ほかの肉(牛肉、豚肉、鶏肉、羊の肉)に比べて脂肪とカロリーが低く、鉄分を多く含む栄養価(えいようか)の高い肉です。 |
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ヤギの飼育利点 |
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1. |
ヤギは丈夫(じょうぶ)で熱に強く、厳(きび)しい気象条件にも良く適応(てきおう)します。 |
2. |
水をあまり飲まなくてもいいので、長期の水不足にも耐(た)えることができます。 |
3. |
牛や羊が生きられない、山岳地帯(さんがくちたい)などの不利な地形にも適応します。 |
4. |
ヤギは品質の低い飼料(しりょう)も食べ、食料を求めて長い距離を移動できます。 |
5. |
ヤギは最も多産(たさん)で、生産性が高い家畜(かちく)です。 |
6. |
ヤギは他の家畜に比べて、飼育(しいく)のための資金が安くすみます。 |
7. |
女性や子どもでも、らくに飼育できます。 |
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環境問題 |
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1. |
ヤギは雑食で、牛や羊の食べない草なども食べます。
エサの植物の葉や芽を食べつくすと、樹皮(じゅひ)や樹の根までも食べてしまいます。
そのため、植物が再生(さいせい)することができず森林破壊(はかい)の原因になるので、ヤギの放牧を禁止する地域も多くあります。
ヤギは動植物保護区(ほごく)へ入ることができません。 |
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2. |
多くの場合ヤギによるダメージは、飼育するヤギの数が多すぎることやまちがった経営によるものです。
正しい管理(かんり)と経営によって、ヤギによる環境へのダメージを避(さ)けることができます。 |
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3. |
最近、ヤギが活躍(かつやく)していることがあります。
それは上の二つのことを逆に考えて、ヤギに環境を守る手助けをしてもらおうというものです。 この考え方は、世界各国で受け入れられています。
ヤギは大抵(たいてい)の種類の草を食べ、しかも食欲が旺盛(おうせい)なため、広い場所の草をまたたくまに食べつくすことから公園や、国道わきで草が伸び放題になっている場所にヤギのグループを連れて行き、草をキレイにしてもらうのです。
このことをコントロールド飼育(しいく)といい、ヤギの持っている良い特徴だけを上手(うま)く使って、環境整理(かんきょうせいり)のために役立てようという考え方です。
この様子は、インターネットでもたくさん紹介されています。 宮古島キッズネットとおなじ運営組織である、宮古島プロジェクトのページでも見ることができます。
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